ギャンブル依存症、あなたは大丈夫?
ギャンブル依存症は、「日常生活、社会生活に支障が出るほどギャンブルにのめり込んでいる状態」のことをいい、精神疾患の1つとしても分類されています。
ここでいうギャンブルは、パチスロ、公営競技(競馬、競輪、競艇、オートレース)、カジノが主に当てはまるでしょう。
また、ギャンブルではないのですが、FX、株といった投資でも似たような症状は見られるようです。
ギャンブル依存症の症状
ギャンブル依存症の症状は以下のようなものがあげられます。
- ギャンブルの負けをギャンブルで取り返そうとする
- ギャンブル関連で周りに嘘をつく(トータルでは勝っている、もうギャンブルは止めたなど)
- ギャンブルを制限したり辞めたりしようとしても、うまくいかない
- 常にギャンブルのことが頭から離れない
- ギャンブルのために借金をしている
- ギャンブルのために仕事や学業がおろそかになる
- ストレス発散、憂鬱感の解消のためにギャンブルをしている
- 無理にやめると身体に異変が起きる(イライラ、不安、幻覚など)
誰でも最初は「賭けを楽しむ」ことが目的で「楽しくなくなったらやめよう」「お金がなくなったらやめよう」と考えているはずです。
しかし、のめり込みすぎるとギャンブルの目的が「楽しみ」から「不安の解消」「より強い興奮を得たい」といった状態になってくるのです。
そうなってくると辞めたくても簡単には辞められなってきます。
ギャンブルを続けるために借金をしたり、周囲と金銭的なトラブルを起こしたり、犯罪にまで手を染めることもありえるのです。
ギャンブル依存症になる人。傾向は?
ギャンブル依存症になってしまう原因ですが、環境や遺伝、性格などいろいろな要素が絡み合っていると考えられています。
環境:家族や友人にギャンブル好きが多い、身近にギャンブルがあるなど
遺伝:親が依存症だとその子供も依存症になりやすい
性格:不安を感じやすい、真面目、人にうまく頼れないなど
その他、「薬物、アルコール依存」「強迫性障害」「ADHD」などの精神障害も原因の一つになりますし、「男性」の方がギャンブル依存症になりやすいという傾向があります。
ギャンブル依存症になっていると「次こそは勝てる」「自分はまだ大丈夫だ」という、偏った思考を持ちがちになるので、自分の力だけで治療していくのは非常に困難です。
病院やクリニックなどを受診し「認知行動療法」を受けることが、ギャンブル依存症から脱却するのに有効だと言われています。
ギャンブル依存症かも!と思ったら。
ギャンブル依存症の克服には、家族の協力が必要不可欠となってきます。
ギャンブル依存症は「病気になっていることを本人が自覚しにくい」という特徴があるからです。
周りから見れば、明らかにギャンブルにのめり込みすぎているにもかかわらず、本人は
「ギャンブルは健全な娯楽だ」
「借金はあるけど、次こそは勝って取り返せるから大丈夫」
「その気になれば抑えることはできる」
といった偏った思考を持ちやすく、問題として捉えられなくなっているのです。
ギャンブル依存症の治療は、まず本人が依存症になっていることを認めることから始まります。
しかし、依存症になっている状態では、本人の意志だけではどうにもならないことが多い。
また、本人は止めたいとは思っていても「自分はなんて意志が弱いんだ…」と悩んでいるケースもあります。
そこに家族から「意志が弱いからだ」と追い打ちをかけられてしまうと、余計ストレスから逃げるようにギャンブルにのめり込んでしまうことも考えられます。
まずは、家族が専門の医療機関に相談することをお勧めします。
医療機関への相談とあわせて「依存症についての講演会を聞く」「本を読む」などして、まずは周りの人がギャンブル依存症への理解を深めることが大切です。
「これだけあなたのことを心配して動いています」という行動を見せることで、本人の気持ちが変わることもあります。
まとめると、ギャンブル依存症の患者をお持ちのご家族は、以下のような姿勢が大切となってくるでしょう。
・本人の努力任せにしない
・経済的な援助はしない
・家族が専門の医療機関に相談する
・セミナーや本などで依存症のことを勉強し、理解した上で寄り添っていく
克服までに時間がかかるプロセスですが、ギャンブル依存症は治ります。
根気よくギャンブル依存症のご家族と向き合い、前向きに取り組みましょう。